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瞑想の基本

更新日:2月1日

瞑想の基本(How To Meditate Basics)

2008年7月5日公開スワミ・ヴェーダ・バラティ著


はじめに

瞑想の実践については、多くの誤解があります。目を閉じて座り、心を空白にしようと努力することが瞑想だと思っている人もいます。また、瞑想のための準備的な行為を、瞑想そのものと取り違えている人もいます。本を読んで得た断片的な知識だけをもとに、実際の指導を受けることなく練習を始め、その結果、どこにも至らないという場合も少なくありません。さらに、瞑想を始めるためには、家族や家庭、快適な生活、職業や社会的な責任をすべて捨て、ヒマラヤの奥深い洞窟に隠遁しなければならない、と考えている人さえいます。


ヒマラヤン・ラージャ・ヨーガ瞑想体系において、以下に述べるのが瞑想の最初の段階です。これらはすべて基礎であり、土台となるものです。読者のエゴはこう言いたくなるかもしれません。


「私はもう10年、20年と瞑想をしてきた。もっと高度なものを知りたい。初歩的なレッスンなど必要ない」


しかし、この態度は正しくありません。多くの求道者は、心を空白にしようとしたり、競技者のように息を止めたりしていますが、そもそも正しい呼吸法すら学んでいないのです。これらの基礎が正しく確立されてはじめて、瞑想者はより高度な実践へと進むことができます。


本体系における段階は以下の通りです。


瞑想の基本段階

  1. 横隔膜呼吸(腹式呼吸)呼吸を均等にすること

  2. 正しい姿勢脚、背中、首に不快感を生じさせることなく、背骨をまっすぐ保てること

  3. 系統的なリラクセーション瞑想中を通して、神経・筋肉系が完全に弛緩している状態を保つこと

  4. 呼吸への気づき次第に、より微細な呼吸の様相を学んでいくこと

  5. マントラ、または聖なる言葉の使用個人的なマントラを授かるまでは「ソーハム」という言葉を用いる


以下、これらの段階を詳しく説明していきます。


横隔膜呼吸(腹式呼吸)

私たちの身体において、呼吸のプロセスを主に司っている器官は横隔膜です。横隔膜は肋骨のすぐ下にある筋肉で、胸腔と腹腔を隔てています。理想的な呼吸では、横隔膜が収縮し、肺の下部にまで十分に息を吸い込むことができます。そして横隔膜が弛緩することで、肺の下部からも完全に息を吐き出すことが可能になります。


生まれたばかりの子どもは、自然に横隔膜呼吸をしています。しかし成長するにつれ、周囲の大人たちの誤った姿勢や態度の影響を受け、この自然な呼吸を忘れてしまいます。そのため、正しい呼吸をあらためて学び直す必要が生じるのです。


深く正しい呼吸においては、肺に圧迫感があってはならず、緊張も生じてはなりません。呼吸は、くつろいだ、そして心身を若返らせるプロセスであるべきです。


a. ワニの姿勢(クロコダイル・ポーズ)

横隔膜呼吸を学ぶために、まずうつ伏せになります。かかとは軽く触れ、つま先は外に開き、あるいは脚が最も楽に感じる形で構いません。左手の甲の上に右手のひらを重ね、額をその上に乗せます。首が横に曲がらないよう注意し、肩が完全にリラックスしていることを確認してください。


意識を呼吸に向けます。この姿勢では胸式呼吸はできません。呼吸の流れを観察してください。息の流れに合わせて、お腹やへその周辺が穏やかに上下するのを感じ取ります。


呼吸に引っかかりや途切れがあってはなりません。静かな小川のように、なめらかに流れさせます。徐々に呼吸がゆっくりになるのを観察してください。この呼吸のあり方をよく覚え、常にこのように呼吸することを心に決めます。


5分から15分ほど行ったら、仰向けになり、


b. 死体の姿勢(シャヴァ・アーサナ)

になります。脚と腕を身体から少し離し、手のひらは上に向けます。横隔膜が収縮・弛緩する様子、すなわちお腹やへその上下動を観察しながら呼吸を続けます。


左手を胸に、右手をお腹に置きます。左手の下では動きが感じられず、右手の下では、引っかかりや途切れのない、滑らかな上下動が感じられるはずです。


吸う息と吐く息の長さが等しい「均等な呼吸」を育てます。これが身についたら、吐く息が吸う息の2倍の長さになる「2:1呼吸」へと進みます。


常に横隔膜呼吸ができるようになったとき、この実践は習得されたとみなされます。


正しい姿勢

瞑想中はもちろん、日常生活においても、背骨をまっすぐに保つことは非常に重要です。


残念ながら、多くの椅子やソファ、現代的なベッド、車や飛行機の座席は、人々の背骨を歪ませ、誤った呼吸を強いることで寿命を縮めるかのように設計されています。


祈りの集会などで、背中が弓のように曲がった姿勢で座っている人をよく見かけますが、これは

·       正しい深い呼吸を妨げ、呼吸を浅くし、寿命を縮める

·       喘息や心臓疾患など、多くの病を引き起こす、あるいは悪化させる

·       背骨を中心とする神経系全体に悪影響を与える

という結果を招きます。


背骨が「まっすぐ」とは、一直線であるという意味ではありません。自然なS字カーブを描いています。


背骨は次のような、わずかにS字を描くカーブをしています。

·       下部3分の1(腰椎1〜5):前弯(前に凸)

·       中央3分の1(胸椎2〜12):後弯(後ろに凸)

·       上背部(頸椎5〜胸椎1):前弯

·       首(頸椎1〜4):ほぼ直線


この姿勢は、できれば熟練した指導者のもとで学ぶべきものです。とはいえ、ここではいくつかの実践的なヒントを述べておきましょう。年齢や身体的な問題、あるいは習慣がないことなどにより、無理に高度な坐法を取る必要はありません。椅子に座っても、床にあぐらをかいても、快適であれば十分です。


ただし、床にあぐらをかいて座る場合、多くの人は重心の関係で背中が丸まりがちになります。これを防ぐための解決法はとても簡単です。


以下をよく読み、誤解しないでください。

毛布を折りたたんで、しっかりとしたクッションを作るか、市販のクッションを用います。これは座布団のように座るためのものではありません。脚や膝は床につけたまま、腰の下だけにクッションを置き、腰を床より高くします。そうすると、自然に背骨を伸ばすことができます。


背中や首に不快感がある場合は、クッションや毛布の高さを調整してください。折る回数を増減し、数日間試しながら、最も快適な高さを見つけます。一度最適な姿勢が見つかったら、常にこの姿勢で座ることを心に決めてください。


床に座ることが難しい場合は、硬めの椅子の端に腰掛け、両足を床につけて座ります。いずれの場合も、背骨をまっすぐに保つことが重要です。この姿勢を習慣化してください。そうすると、注意力の高まり、集中力、不要な誇りを伴わない自信、そして人生における実効性といった、心理的な変化が自分自身に生じてくるのに気づくでしょう。


正しい姿勢で座ったら、横隔膜呼吸を続け、呼吸の流れと、お腹・へその穏やかな上下動を心で観察します。胸に圧迫感がある場合、呼吸は正しく行われていません。


リラクセーション

横隔膜呼吸の次に行う第二段階が、死体の姿勢で行うリラクセーションです。

基本的で体系的なリラクセーションの方法を学びましょう。脚を開き、腕を身体から離し、手のひらを上に向けて死体の姿勢で横になります。横隔膜呼吸を続けながら、以下の順序で身体の各部位に意識を向け、「力を抜くように」と心の中で指示していきます。


額、眉、目、鼻孔、頬、顎、口、口角、顎先、首、首の関節、肩、肩関節、上腕、肘、前腕、手首、手、指、指先。次に、指先、指、手、手首、前腕、肘、上腕、肩関節、肩、胸、心臓の周辺、胃、へそ、腹部、骨盤、股関節、太腿、膝、ふくらはぎ、足首、足、足指、足指の先。


続いて、足指の先、足指、足、足首、ふくらはぎ、膝、太腿、股関節、骨盤、腹部、へそ、胃、心臓の周辺、胸、肩、肩関節、上腕、肘、前腕、手首、手、指、指先。最後に、指先、指、手、手首、前腕、肘、上腕、肩関節、肩、首の関節、首、顎先、顎、口、口角、頬、鼻孔、目、眉、額。


この順序を覚え、必ずこの流れに従って全身を弛緩させます。力を完全に抜き、たとえば手は赤ん坊の手のように柔らかくなるまで緩めます。もし最初はうまく弛緩できない場合や、緊張が慢性化して筋肉が緩んだ感覚を思い出せない場合には、「仰向けで行う緊張と弛緩」という別の方法を用いてもよいでしょう。


以下がその正確な手順です。力を入れるときは、指先または足先から上へ向かって行います。今扱っている部位以外の筋肉まで一緒に緊張させないよう注意してください。各段階の間には、2回分の呼吸で休みます。全工程が終わったら、10回のリラックスした呼吸を行います。

·       右脚を緊張させ、緩める/左脚を緊張させ、緩める(交互に)

·       両脚を同時に緊張させ、緩める(繰り返す)

·       右脚と右腕、左脚と左腕を交互に緊張・弛緩

·       右腕、左腕を交互に緊張・弛緩、その後両腕同時

·       四肢すべてを同時に緊張・弛緩


いずれかのリラクセーションを終えたら、横隔膜呼吸を続けたまま数分間その姿勢で休み、その後、瞑想の姿勢に移ります。死体の姿勢では、さらに複雑で段階的な心のリラクセーション法があり、それらは最終的にヨーガ・ニドラー(ヨーガ的睡眠)や、微細身への入り口へと導きます。


瞑想の姿勢に戻る際には、

·       腰の下に折りたたんだ毛布またはクッションを置くこと

·       背骨をまっすぐに保つこと

を忘れないでください。姿勢を変えたことで新たに生じた緊張がないか、全身を素早く確認し、再び横隔膜呼吸を確立します。


呼吸への気づき

呼吸を、引っかかりなく、途切れなく、音もなく、あえぐこともなく、滑らかに、均等に流れさせます。呼吸の途中に切れ目を入れず、呼吸と呼吸の間にも間を作らないようにします。


その流れに気づき続けてください。気づきにも途切れを入れません。


このような途切れのない気づきを伴った12回の呼吸は、あなたをサマーディへと導きます。


しかし、その12回の呼吸を保つことは、実際には非常に困難です。


鼻孔に触れる息の流れと感触を感じ続けます。吸う息への気づきは、即座に吐く息への気づきへと溶け込み、またその逆も同様です。とくに吐く息への気づきは重要です。


長年の習慣によって心がさまよい始めたら、再び背骨を整え、素早くリラックスし、横隔膜呼吸を立て直し、鼻孔での呼吸の流れと感触への気づきを続けます。


聖なる言葉(マントラ)

最初は「ソーハム」を用います。ある人は「ハムソ」と唱え、これをハンサ・マントラと呼びます。吐く息とともに心の中で「ハム」と唱え、吸う息とともに「ソ」と唱えます。その意味は「私はそれである」です。


別の宗教的伝統に属する人は、その伝統で用いられる言葉を使っても構いませんが、その伝統における瞑想を本当に理解している人から正しく学ばなければなりません。誰でもよいわけではありません。


呼吸への気づきも、言葉の流れへの気づきも、決して途切れさせないでください。呼吸、言葉、そして心が、一つの流れとして共に進んでいる様子を観察します。


徐々に時間を延ばしていきます。ただし「どれだけ長く座るか」ではなく、「途切れなくその流れへの気づきを保てる秒数」を延ばすのです。努力しすぎることは逆効果です。眠ろうとして力むと眠れないのと同じように、自分と戦って瞑想状態に入ることはできません。流れに任せ、起こるに任せてください。瞑想をするのではなく、観察し、体験するのです。


次の段階

ヒマラヤ・ヨーギーの伝統に連なる師を探し、最初のイニシエーション、すなわち個人的なマントラを授かってください。


すでに別の伝統でイニシエーションを受けている場合、新たな個人マントラという考えに抵抗を感じるかもしれません。しかしヒマラヤのヨーギーたちは、心に葛藤を生じさせることを好みません。彼らは多くの伝統に精通しており、あなた自身の信仰の道を尊重し、その真理を体験する方法を教えてくれます。


本稿では、瞑想を始めたばかりの人のために、完全な基礎手引きを提示しました。ぜひこの実践から始め、勤勉に続けてください。それはあなたを遠くまで導いてくれるでしょう。すでにマントラを持っている場合は、この気づきの実践とどのように統合すればよいか、ヒマラヤの伝統の指導者に尋ねてください。


マントラのイニシエーション後、修行者の霊的ニーズに応じて、集中法や瞑想法が個別に与えられます。マントラと瞑想の方法は、個々の内的状態に基づいて授けられるのです。意識のさまざまな段階を通して、マントラ体験を洗練させていく多くの方法があります。マントラが意識の中で自ずと繰り返されるアジャパの状態も、師の恩寵によってのみ起こります。

内なる音(ナーダ)や光(ジョーティ)への道、あるいはクンダリニーの道が示されることもあります。特定のチャクラを瞑想対象として与えられることもありますが、実際にその瞑想に入るのは、導師が弟子のそのチャクラに精神的に触れたときのみです。チャクラにおいては、特定の図像などの視覚化が与えられる場合もあり、その際、マントラをチャクラのエネルギーと融合させ、中心点(ビンドゥ)を貫通する方法が教えられます。これらの奥義は特定のタントラに記されていますが、生きた師弟関係の中でのみ真に理解されるものです。


推奨図書

·       『Living with the Himalayan Masters』スワミ・ラーマ著

·       『Theory and Practice of Meditation』スワミ・ラーマ著

·       『Superconscious Meditation』スワミ・ヴェーダ・バラティ著

·       『Mantra and Meditation』スワミ・ヴェーダ・バラティ著

·       『Philosophy of Hatha Yoga』スワミ・ヴェーダ・バラティ著


出典(原文)

Swami Veda BharatiHow To Meditate BasicsPublished: 5 July 2008

© AHYMSIN – Association of Himalayan Yoga Meditation Societies International

Original text published on the official AHYMSIN website:https://www.ahymsin.org/how-to-meditate-basics/

※本記事は、AHYMSIN公式サイトに掲載されている英文をもとに、日本語に翻訳したものです。



 
 
 

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